スイセンは毒!だけど…精油は実は高級品らしい!?スイセンの花で芳香蒸留水は作れるのか?

「ハーブを勉強しよう!」と思い立ったのが、コロナ禍が始まる直前の冬でした。
花の咲いていない時期で、今か今かと待ちわびて、やっと最初に咲いたのが「水仙・スイセン」でした。早く蒸留器を稼働させ、フローラルウォーター(ハーブウォーターとか、ハイドロゾル、芳香蒸留水とも呼ばれます)を作りたくてウズウズ。でも、スイセンって芳香蒸留水採れるのだろうか…




「芳香蒸留」ってなに?

芳香性の植物を蒸して、香り成分を内包した水蒸気を急激に冷やして、香り成分(精油)と水の比重の違いを利用して分離させる手法です。


香料植物を材料として、熱水蒸留法(水蒸留法、ハイドロ式)、水蒸気蒸留、水拡散法[4]、低温真空蒸留法[5]など水蒸気を利用して精油を抽出する際に、水溶性芳香成分を含む水(芳香蒸留水)が副産物として生じるが、これがハイドロゾルと呼ばれる。https://ja.wikipedia.org/wiki/ハイドロゾル


現在では主に精油の採取方法として利用され、微量の芳香成分を含んだ芳香蒸留水(ハーブウォーターやフローラルウォーター、ハイドロゾルとも呼ばれます)の方が副産物ということになっていますが、アロマの歴史的にみると、水の方(蒸留水)を使ったのが最初だったようです。不純物を含まない安全な水分としても利用できるし、芳香蒸留で採取した蒸留水にはほんのわずかな芳香成分が含まれるために香りもよく、アロマほど禁忌を気にしないで利用することができます。

スイセンの香りは芳香蒸留でとれる?有毒ではない?

スイセンは山菜の季節に誤食のニュースが伝えられることも多い有毒植物(厚生労働省のサイト)なので、蒸留水も利用は無理かな?と思っていたのですが、調べてみたら精油(エッセンシャルオイル)はけっこう高級品のようです。




ジョンキル精油

「そうなんだ!じゃあフローラルウォーターもいけいい香りなんじゃない?」と、浅はかな考えを持ちました(笑。

有毒成分は鱗茎に多い

ウィキペディアによるとスイセンの毒は鱗茎に多いそうです。鱗茎とは、いわゆる球根です。水仙は根っこの部分に毒成分が多いということ。


全草が有毒で、鱗茎に特に毒成分が多い。スイセンの致死量マウスで10.7g/kgである。食中毒症状と接触性皮膚炎症状を起こす。中毒は初期に強い嘔吐があり摂取物の大半が吐き出されるため症状が重篤に到ることは稀であるが、鱗茎を浅葱(あさつき)と間違えて食べ死亡した例がある。https://ja.wikipedia.org/wiki/スイセン属


でも、葉にももちろん含まれるから、ニラに間違えて食べてしまう食中毒が起こるわけで、わが家はスイセンが多い庭なのでニラだけは育てないと決めています。スイセンってなぜか飛び地して増えるし、採取したニラの中に1~2本混ざるスイセンの葉をより分けられる自信がない。

スイセンの芳香蒸留に初チャレンジ




なのでわが家の場合はニラと間違えて食べるなんてことはないし、芳香蒸留水なら、もし毒成分があっても含まれる成分は微量だし、飲用するわけでもない。香りはいいみたいだし…なんだか良さそう!とワクワクしながら花数が揃うのを待ち…(2021.3.30)やっと蒸留することができました。その時に使ったのは2色のラッバスイセン(カップ咲き・タイハイスイセンとも)。

花だけ採取したら、全部で約80gありました。水約700mlで「煮出し蒸留」をチョイス。先日オンラインで受けた蒸留の講座で「花類の蒸留はペチャとなってしまい蒸気の通り道がなくなってしまうので、煮出し蒸留がよい」と、教えてもらっていたのです。しばらく蒸留していると、芳香蒸留水が溜まり始めました。

待ちきれずに香ってみると…「あ、青臭い!」(笑。こりゃダメだ…。

スイセンの繊細な香りはどうやったら採れるの?




実は、水仙の精油はアブソリュート(Abs.)です。溶剤抽出法。そもそも、蒸留法による抽出じゃないのです。なのでフローラルウォーターは作られません。じゃあ、スイセンの芳香蒸留は例がないの?と調べると、個人の趣味程度のものならいくつも見つかりました。が、減圧しながら沸点を下げて行う方法が取られることが多いようです。Kazenoyaは減圧装置のないものを購入したので、青臭くなってしまったのですね。低温で沸騰させられたら、もっと良い香りになっていたのかな?と思います。

そして、またまた調べてみると、精油の原材料としては「ジョンキル」「クチベニスイセン」などの品種が、多いよう。そもそもの原材料が違う!?というオチだったようで(笑)

※後日庭でジョンキル、見つけました↑

スイセン(水仙)の蒸留は大失敗!?だったのか

一夜明けて、恐る恐る(笑)もう一度香りを嗅いでみると…あら?青臭さは残るものの、かなり丸くなった印象。常圧の芳香蒸留法で採れる香り成分自体が限られているのかもしれません。リモネンとか。でも、これならブレンドなどで使えそうです。

後日スイセンウォータを使ってアロマディフューザー作りをしました↓

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