思い返すと2020年の今頃、蒸留器を購入して真っ先に蒸留したのが、庭のクリーピングタイムでした。タイムは種類が多く、自然に自生しているクリーピングタイムを指して、ワイルドタイムと呼ぶそうです。そのワイルドタイムから抽出できる「ワイルドタイムエキス」が、化粧品などに美白成分として添加されているのだとか!?
今まで抗菌などの効果を狙ってしか、使ってこなかったのですが、美白とは!
蒸留しながら少し調べてみましたよ。
マザー・オブ・タイム〜全てのタイムの母なる「ワイルドタイム」

いわゆるクリーピングタイムとして売られているものは、ヨウシュイブキジャコウソウ(タイム・セルヒラム(T. serpyllum))で、別名「マザー・オブ・タイム(タイムの母)」と言われています。
日本の高山などに自生する「イブキジャコウソウ」も、この仲間で、このほかに匍匐する(クリーピング(Creeping))タイムの仲間に、レモンタイム、シルバータイム、キャラウェイタイムなどがあります。
kazenoya宅の庭には、引っ越した年に、レモンタイム(?多分)と、買ってきた「クリーピングタイム」を植えました。レモンタイムのほうは今はどんどん株が小さくなってしまいましたが、クリーピングタイムは驚くほど繁茂しています。クリーピングタイム=ヨウシュイブキジャコウソウ=ワイルドタイムということなので、ワイルドというぐらいなので、強いのだと思います。
ただただ咲いているのがもったいなくて(笑)、毎年花の咲く時期に収穫し、チンキ(ティンクチャー)を仕込んでいましたが、美白効果は知りませんでした。このワイルドタイムエキスは、検索すると「シンデレラケア」という商品名で販売されているようです。メラニンを肌に運ぶキネシンという物質の発現を抑えるのだそうです。
そのほか、保湿成分やドライスキンを改善する効果なども見つけられました。効能豊かなんですね。ワイルドタイムエキスの抽出方法は、残念ながらどこにも書かれていませんでしたが、溶剤やアルコールなんかで抽出するのでしょうか。
さて、今年の蒸留は〝煮出し蒸留〟にチャレンジ
今年のタイムの花の初収穫は50g!

ほぼ毎年同じ量です。花なので蒸気で潰れてしまうことを考えると、このタイムも煮出し蒸留で取った方がいいのでは?と思いつきました。なので今年初めてのタイムウォーターは、煮出し蒸留で。約2時間。ワイルドタイムについて調べつつ、かっちり400mlを蒸留しました。

香りは…優しい感じ。
う〜ん。。次回は水蒸気蒸留に戻したいと思います。
クリーピングタイムは毎年沢山咲くので、きっと3回は蒸留出来るはず!
蒸留はお鍋で気軽にもできますよ↓
今年も仕込むぞチンキ(ティンクチャー)
美白効果はいざ知らず、入浴後の足ケア用として毎日使っています。タイムチンキ。なので今年も、たくさん仕込むゾ。そういえば足、白くなってる!?ってのは、冗談ですけど(笑)。タイムというと刺激が強いイメージがあって、これまで足にしか使ってこなかったのですが、今年はたくさん仕込んで、顔や全身にも使ってみようと思います。
ちなみに、ワイルドタイムエキスの抽出は、エタノール50%で行うそうです。なので、美白目的での利用なら、チンキのほうがいいのかも知れませんね。
【タイムチンキ・レシピ】お好きな分量
- ①保存瓶を煮沸する
- ②瓶に目一杯、タイムの花を詰め込む
- ③ウォッカまたは、水と無水エタノールを同量混ぜたもので瓶を満たす。
- ④最低2週間、時々振り混ぜながら抽出し、コーヒーフィルターなどで漉して出来上がり。
※採取日や仕込んだ日時を記入しておくと良いです。
私は50度のウォッカで仕込むことが多いです。
アロマでよく使うタイムは、立性の「タチジャコウソウ」
いわゆるタイム精油(エッセンシャルオイル)は、立性のタイムから採種されるのが一般的のようです。精油成分はチモール、カルバクロールなどが主で、水蒸気蒸留で採種した精油はチアミン油(タイム油)と呼び、香水原料や、駆虫、鎮咳などに用いられたこともあったようです。
クリーピングタイムもカルバクロールなどが香りの主成分のようですが、kazenoyaの庭のクリーピングタイムを蒸留すると、すっとした中にも、少し甘酸っぱいような、すっきりとした香りのフローラルウォーター(ハーブウォーター・芳香蒸留水・ハイドロゾル)に仕上がります。
特に煮出し蒸留した今年は、さらにその傾向が強かったように思いました。
いつかタチジャコウソウも育ててみたいです。
本当にクリーピングタイム=ヨウシュイブキジャコウソウ=ワイルドタイムなのか?
ヨウシュイブキジャコウソウの欄かっこ書きでワイルドタイムと書かれていました。
- ヨウシュイブキジャコウソウ(英:ワイルドタイム〈Wild Thyme〉、別名:クリーピングタイム〈Creeping Thyme〉、学名:T. serpyllum)ワイルドタイム(ヨウシュイブキジャコウソウ)匍匐性で、高さ7 – 10 cmで、1 mほど地面を這って横に広がる耐寒性の常緑多年草[9]。夏に白色、薄桃色、淡紫色、紫色、赤色の小さな花が茎の先端に集まって咲く[4][11][9]。葉は小さく、丸くてつやのある卵形で毛で覆われ、濃緑色で良い香りがある[4][9]。ヨーロッパ北部の原産[4]。特にヨーロッパや北アフリカ、アメリカ合衆国のマサチューセッツ州バークシャー地方(The Berkshires)やニューヨーク州キャッツキル山地(Catskill Mountains)の乾いた岩石がちの地域に広く分布する。イブキジャコウソウ属は全て花蜜を分泌するが、ヨウシュイブキジャコウソウはミツバチや養蜂家にとって重要な蜜源植物であり、蜂蜜はギリシャをはじめとする地中海地方の名産品として良く知られる。グラウンドカバーにも良く用いられる。本種は強い薬効があり、効力が強い家庭用消毒液を作ることができる[9]。
ただ、クリーピングタイムには園芸用品種(ロンギカウリス)もあるそうです。
原種系は(セルピルム)として販売されているそうです。
もしかしたら、わが家のものは園芸品種?なのかも。
見た目での判断は微妙な違いみたいなので、買うときに気を付けるのがよさそうですね。